本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
パイド・パイパー
山岸凉子がよく描くテーマとして、「自分の真に欲するところは何かを見つめ、それに向けて努力」しないものは奈落へと堕ちてゆく、というものがある。

収録されている3篇ともそれが根底にあるストーリー。

最後に収録されている「負の暗示」は実際の事件「津山30人殺し」をその視点から解釈している。
「八ツ墓村」、「野生の証明」などがモデルにしたこの事件は、昭和13年岡山県山中のある農村で起こった。村のたった一人の青年が、一夜のうちに村人30余人を猟銃・日本刀で殺害するという世界でも例をみない大量殺人事件である。

「負の暗示」では、村の秀才だった主人公が、日々の現実を直視しないことでどんどん追い詰められてゆくようすが描かれている。逼迫した生計、そこそこ優秀ではあったが教師にはなれない学力、農作業できない体力、そういう挫折感から村の女たちとの奔放な関係に逃げてゆく。
だが徴兵検査で丙種を宣告され、女たちからも小馬鹿にされるなど自尊心を徹底的に砕かれた主人公は、ついに凶行におよぶ。

「先送りした逃避はいずれ目の前に戻ってくる さらに倍になって」

努力しているかどうかはさておき、自分の惨めさから目をそらさないことを山岸凉子のコミックから学んだと思っている。

訂正:新書版と文庫版では表題作以外の収録作品がぜんぜん違ってた。この内容は集英社から出ている新書版。

★★★
西へ仕入れ。
不作だ…

リストをもち、コミック棚だけから、ほぼ均等に抜いてゆく集団にときどき出くわすが、何だろう?漫画喫茶の仕入れだろうか。
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