本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
文人悪食
ISBN:4101419051 文庫 嵐山 光三郎 新潮社 2000/08 ¥780

「追悼の達人」と同シリーズ的な、近代文学者の食の趣向を紹介する内容。

食の趣向はもちろんのこと、交友関係、生と死へとつながる深い展開。作風からなるほどなぁと納得がいく嗜好から、予想もつかない意外な好みなどいろいろ。

ちょっと気になるのが、嵐山光三郎は文人たちの容貌の美醜によく言及していること。ちなみに彼イチ押しの美男子は有島武郎(武郎の息子もやはり美男俳優・森雅之。武郎の弟・里見の少年時代の写真もどこかで見たが、なかなかの美形だった。美形一族。)。

逆に醜貌の文人にもはっきりと言及。
作品との落差が特に激しい(!)梶井基次郎ときたら、ケチョンケチョンに書かれている。当時尾崎士郎と夫婦だった宇野千代に片思いしたのを「身の程をわきまえていない。宇野千代は美貌の人気作家で尾崎士郎もしかりである。…梶井は無名の文学青年にすぎず、容貌魁偉で血痰を吐き散らす病人である」事実なだけにキツい。

高校時代、授業で「檸檬」を学んだ時、教科書の肖像写真を教師が「彼の写真は掲載しないほうがいいですね(笑)」と語っていたのを思い出した。

中原中也も、彼を実際に知る大岡昇平からの話として、「皺が多いどこにでもいるオトッツアン顔だよ」
あの有名な帽子をかぶった写真も、複写されつづけてレタッチされた結果まるで別人の美少年顔になってしまったそうだ。
「あの有名な顔写真も中也の作品なのである」と、うまいしめくくり。

ともあれ、意外な面をあげつらっているようで、読後文人たちの作品を猛烈に読みたくなる良質な近代文学道案内書。

★★★
昼前にパパッと買い物・用事を済ませ、帰宅。
少しだが仕入れもする。
午後は時間の余裕が出来たので、梱包の準備を早めにしておく。
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