本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
秋のミルク
秋のミルク 秋のミルク
アンナ ヴィムシュナイダー (2004/11)
五月書房

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1919年にドイツ・バイエルン地方の農家に生まれ、1993年に死去した無名の一農婦アンナの自伝。

最初から最後まで苦労しっぱなし。彼女の望みはただひとつ「すきなだけたっぷり眠りたい」。その願いがかなうのは本の最後のページ、農家を廃業し年金生活に入ってから。

九人兄弟の長女として生まれ、八歳で母親を亡くす。そのときから家事と農業に追われる毎日が始まる。結婚した相手には病気の祖父・伯父もいて、介護・家事・育児・農業と仕事は増えるばかり。夫は結婚の一週間後に召集される。姑には「息子を奪った女」として憎まれ、「秋のミルク・スープ(凝固したすっぱいミルク。貧乏人の食べ物のこと)ばかり飲ませてやる」と罵られ続ける。

…と書くと、もの凄い陰惨な本みたいだが、アンナはこんな状況をがっちり受け止め、常に前向きにやるべきことをこなしていく肝っ玉の座った女性なので、悲惨なことをあっさり記述する筆致もあいまって、少しも湿っぽくはならない。

本国ドイツでも評判になって映画化もされたそうだが、アンナの人生は、母の、または祖母の世代の「ほんの少し前のあたりまえの生活」を綴ったものとして、読む人々の心をゆさぶった。それはもしかしたら、ドイツも日本と同じ敗戦国ということで、この「ほんの少し前の時代」について、その後の世代に伝わり損ねている何かが感じられるためかもしれない。

★★★
こんな本を「あー、腰が痛いなー」といいながら寝っころがって読むダメダメな自分。

仕入れ処理完了。先月の集計と今月の予算立て。車のローンが加わるが、いままでも車用の積立てをしていたので、実質同じ支出。
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