本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
マリー・アントワネットの娘
マリー・アントワネットの娘 マリー・アントワネットの娘
藤本 ひとみ (2005/01)
中央公論新社

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表題の「マリー・アントワネットの娘」マリー・テレーズの生涯、を目当てに読んだのだが、本の半分以上は併録「マルゴ王妃」に費やされていた。その記述の少なさ加減は、ブルボン家・ハプスブルク家という超一流の名家の血筋を汲みながら、幸薄く歴史にほとんど足跡を残せなかった悲劇の王女らしいというか。

マリー・アントワネットが産んだ4人の子どものうち、ただひとり成人し、かつ72歳という当時としては大変な長生きをしたマリー・テレーズ。彼女がその出自に相応しい環境に居られたのは10歳くらいまでで、あとは苦難の連続だった。フランス革命により、華やかなヴェルサイユ宮殿からタンプル塔の牢獄に収監され、両親・叔母は斬首、弟は病死、しかもそのことを知らされないまま幽閉されつづける。3年後ようやく政治的利用価値を見出され牢獄から出されたものの、王政復古を目論む叔父の采配により、アングレーム公爵と結婚させられる。その夫ときたら、まともな結婚生活はとうてい営めない愚鈍な人物だった。

不幸な結婚・流浪の人生が始まる。ルイ18世を名乗る叔父とともに、ナポレオンの支配から逃れ、ロシア、イギリスを転々とし、そんな歳月はマリー・テレーズにとって革命を起こした民衆・欧州を蹂躙するナポレオンへの憎悪がいや増すばかりの日々であった。ついにナポレオンが失脚したとき、いわゆる「白色テロ」によって彼女の復讐が始まり、犠牲者は5万人とも8万人ともいわれる。両親は死に際に子どもたちへ復讐を戒めていたのだが…。

「笑顔を見せない女性」として知られ、不安定な身分のまま晩年を迎えた彼女は、日々、泣いてばかりだったという。

時代の流れから取り残され、その上あまりにも長い人生を生き続けなければならなかった王女のことを、少ない記録からせいいっぱい綴りました、という感じの記述。でも文庫ながら図版が豊富で、口絵カラーに成人したマリー・テレーズの美しい肖像画が掲載されていたので、これだけでも満足。

★★★
ゆとりの日。
だらだらしていたらあっという間におわった。
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