本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
謎の物語
いわゆる「リドル・ストーリー=謎物語」という、作者が明快な結論をあえて書かず、読者の想像に委ねた物語ばかりをよりすぐったアンソロジー。読書家として超一級の編者による選の素晴らしさは勿論のこと、挿絵としてつけられた銅版画も雰囲気を高めてさらに良し。

収録されている作品のうち、既に知っていたのは小泉八雲の「茶碗の中」だけだった。この作品をはじめて知ったときの戦慄にまさるとも劣らない東西の名作が集められている。

たった一つだけ例外として、明快な謎解きが最後に提示された作品もある。ホーソーンの「ヒギンボタム氏の災難」という作品だが、この作品の解説にもあるように

謎は謎のまま残したほうがよかったのではないかと思う読者がいたとすれば、本アンソロジーの趣旨を理解していただけのではないでしょうか。

という明快すぎてちょっと不満になる、という贅沢な読後感をもってしまった(もちろん作品の完成度としては文句がないのだが)。

読んでいて一番恐ろしかったのは、D・ブッツァーティ「なにかが起こった」。

「私」は北行きノンストップの超特急列車に乗っている。ふと窓の外を見ると、人々があわただしい知らせを受け、それをさらに別の人に伝えようと右往左往している光景を見かける。列車が終点の北へ近づくにつれ、人波が徐々に増えてゆき、しかもその人波はみな、南へ、南へと向かっている。猛スピードで列車は通過してしまうため、乗客の「私たち」はいったい何が起こったのかわからない。南へと逃げ出す人々は列車に気がつくと、列車が北へ向っていることに驚愕し、指さし、叫んで乗客に何かを伝えようとする。戦争か、革命か、悪疫か、大災害か? 「私たち」乗客は徐々に異変を察するが、止まらない列車の中では全く状況がわからず、お互いの様子を無言で伺い、終点まで恐怖に耐えていくしかない。

そして、遂に列車は終点の駅へ到着する。駅には人影もなくがらんどう。「私たち」乗客はプラットフォームを駆け、人影を探しもとめる。町にはもう猫の子一匹いないのだろうか?そこへ耳をつんざくような女の声が響き渡りわれわれをおののかせた。「助けて!助けて!」

その悲鳴はガラス張りの円天井の下、永遠に見棄てられたその場に、うつろな響きで反響した。

おわり。

えええええーーーっ!これで終わり?だから何!?
と、夜寝る前にこれを読んだのをちょっと後悔するほど怖かったっす。

このような戦慄するもの、何がなんだかよくわからないもの、いろいろ頭をひねってしまうもの。中学生くらい?でも読めるようにルビと注釈がついているが、お子様にはちょっと刺激が強いんじゃないかな、という作品11篇収録。

★★★
MD・CD・カセット・コンポの買い替えを10年くらい前から検討しているが、今日はちょっと真剣になって価格ドットコムで比較検討。置き場所の奥行きが狭いため、該当機種が激しく限られることがわかった。

夫の仕事の手伝いでまた総重量数百キロの材料を運びまくる。羽織っていたジャンパーに油のシミがたくさんついてしまった。すぐ洗ったが落ちないみたい…。しくしく。
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コメント
この記事へのコメント
『女か虎か』
は、この中に、入っているのですね。
ほかにも、いろいろ収録されている本は、あるみたいですが。
リドル・ストーリーとしては、代表的ですもんね。
私も、王女は、『虎』を、選んだ、と、思ってしまいます。
ここまで、書いてりゃ、絶対『虎だろう』と。

D・ブッツァーティ「なにかが起こった」。
恐ろしすぎます。
夜は、読みたくないですね。
2006/01/20 (金) 01:06:43 | URL | まめぞー #EcuZKmTg[ 編集]
女か虎か
がこの本のトップバッターっす。

怖くない不思議な読後感のお話も収録されてますが、「なにかが起こった」があまりにも怖すぎて、本全体がなんか怖い(^_^;)

他の書評サイトを読むと、
「結末がわからない話ばかりでイライラする!」なんてのもありました。向き不向きがあるのだなー、と思いましたわ。
2006/01/20 (金) 09:00:14 | URL | ヨモヤマ #iDwuzokA[ 編集]
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