本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
ある結婚の肖像
ISBN:4582373232 単行本 八木谷 涼子 平凡社 1992/09 ¥3,262

で、そういうお互い好き勝手にやっていた夫婦の息子による母親の伝記。

著者ナイジェル・ニコルスン(1917- )は、サックヴィル男爵の娘ヴィタと外交官ハロルド・ニコルスンの次男として生まれた。彼は母親の死後、残された日記・回想録をもとにこの本を発表。

ヴィタは詩や小説、伝記などベストセラーも含む多くの著作を持つ作家。彼女の回想録には夫を敬愛しつつも、同性に惹かれる自分の苦悩を赤裸々に記述していた。夫・ハロルドも同性愛者で、夫婦はそれぞれ同性の愛人を持っている。

しかしお互いを尊敬しあい、生涯深い絆に結ばれてもいた。

ヴィタの愛人には短期間ではあったがヴァージニア・ウルフも名を連ね、ヴィタは「オーランドー」の性別・時空を超える主人公のモデルともなる。ヴァイオレットという女性とは駆け落ちまで決行し、それぞれの夫に連れ戻される騒ぎとなった。その事件は社交界の大スキャンダルとなる。

1973年にナイジェルがこの書を出版すると、激しい非難にさらされた。それは「秘められていたことをわざわざひっぱりだして発表するとは何事か」というもの。しかし彼は、母の「時代が変われば倫理観も変わり、自分の告白も必要とする人がいるかもしれない」という先見の明を尊重し、発表にふみきったという。

1990年にはBBC制作でドラマ化されたが、こんどは「戦争・不況と庶民は悲惨な目にあっている時代なのに、恋愛を謳歌し駆け落ち騒ぎ。いい気な身分だ(←そりゃあ、貴族だしー)」などというシモジモの感想がよせられたとか。

★★★
台風が近づいている。来週はいつもの行動パターンが狂うかな?
また愛犬が恐怖に怯えることだろう。
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