本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
ロマンス小説の七日間
ISBN:4043736010 文庫 三浦 しをん 角川書店 2003/11 ¥620

ロマンス小説の翻訳を生業としている主人公が、ついつい現実の鬱憤を仕事にぶつけ、まったく違うストーリーの小説を“翻訳”してしまう。現実の物語と、主人公が創作する歴史ロマン・ストーリーが交互に進行する小説。

ハーレクイン・ロマンス(本書ではコロンバイン・ロマンス社と変えている)という、毎月多数のシリーズが刊行されるペーパーバック翻訳小説群がある。各種シリーズに分けられており、主人公が翻訳しているのはそのなかで「ヒストリカル」と呼ばれる歴史もの。歴史といっても扱われる時代は限定されていて、間違っても男性が“ちょーちんブルマー”を着用している16世紀あたりは書かれない。小説といえど、コスチュームは重要だ。

この手のロマンス小説を翻訳している人の話を又聞きしたことがあるが、自分の気に入らないストーリーを翻訳するのはかなり苦痛らしい。

主人公・あかりは、不可解な行動をするボーイフレンド・神名へのイラだちの勢いで、どんどん物語を変えていってしまう。この手のロマンス小説の鉄則を知っていると、その逸脱ぶりがさらに楽しめる。なにせ、ヒロイン&ヒーローのハッピーエンドが絶対条件なのに、あかりはヒーローを死なせてしまうのだ。え?どーすんのよ!

しかしそこからの物語を仕上げる手腕は、さすがロマンス小説とコミックに造詣の深い三浦しをん。本家のストーリーより感動した!

ただし、ラストであかりは自分の思い通りの小説を“訳し”終えたあと、担当編集者へ納期の遅れをFAXし、本当の翻訳にとりかかる。この本の本筋に関係ないけど、締め切りにハラハラしていた自分としては安心した(どーでもいいことが気になる)。

作者あとがきも面白いが、翻訳作業についての謝辞として柿沼瑛子の名前が挙がっていた。こういうところに注目している人の名前が挙げられていると、嬉しい。

★★★
朝から約束していた友人と会う。





…疲れた。
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