本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
「昔はよかった」病(パオロ・マッツァリーノ)

「もっとも捏造されやすいのは庶民史(庶民文化史)なんです。戦争など大きな歴史は研究者も多いので細かく検証されますが、庶民史については年長者のいいかげんな証言が、検証されることなく広まってしまいがちです」

資料をたんねんに辿って、「いいかげんな証言」「捏造・改竄された個人の記憶」がいかに美化されて間違っているのかをツッコみまくる書。とどのつまり、昔の社会もむかしの人間も、今にくらべて特に立派でも良くもなかった、と。

拍子木を打ち鳴らして「火の用心」したって防犯率を高める効果はなく、当番に駆り出され安眠を妨げられ喧しいだけ。特殊な金融詐欺が増えただけで現在の詐欺被害件数は減っている。健康飲料だったコーラ。少年による凶悪犯罪がもっとも多かった昭和30年代→凶悪高齢犯罪者(昭和30年代に少年だった)が増えている現代。女性採用条件に「美人求む」と堂々と記載。「安心・安全」が不安を生み出す。明治時代から熱中症で大人も子供も倒れまくっていた。江戸の町は人口の流入・転出が非常に激しく、人情どころか人々の付き合いも浅かった。地域の「絆」や「ふれあい」が深かった時代のほうが犯罪率は高かった。

ポンポンとツッコミが入り、あっという間に読めた。巻末参考文献一覧も充実。「なんとなくそう思ってた」という思い込みがひっくり返される楽しさがある。

★★★
10代から慣れ親しんできたヲタ・カルチャー関連も、30~40年も経ってまうと記憶の改竄とかいろいろあるもんなぁ。アニメ・ヲタ第一世代とかいろいろやらかしているし。
関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2005 本に包囲された日々 all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.