本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
臆病者のための裁判入門(橘 玲)
臆病者のための裁判入門 (文春新書)臆病者のための裁判入門 (文春新書)
(2012/10/19)
橘 玲

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小額民事裁判に原告の代理人として関わった体験を中心に書かれた本。著者の普段のテーマとは違う内容だが、どの立場の人間がどういう利害やルールによってどういう言動をするか、というのが的確に説かれていて、読みやすく面白い。

日本在住の外国人が交通事故にあった(物損のみ・過失2割)。→損保会社の担当者が(おそらく相手が外国人だとあなどって)勝手に「自損自弁」手続きをし、本人には「相手側が保険会社相手にゴネている」という言い訳でのらりくらりと逃げ続ける。→著者が代理人として相手側の保険会社に問い合わせ、嘘がバレる。→損保会社は非を認め保険金(12万円)を払う、というが、何ヶ月も誤魔化され続けたことへの補償は無いのか。→損保会社はそういう補償を金銭で解決する方法は絶対に取れないので、交渉は打ち切られる。→民事調停→簡易裁判→地裁→高裁。→事故から3年もたってようやくすっきりしないながらも一応勝訴(?)で終結。

こんなメンドくさいことできるかぁ!という気になるが、普通の社会人が「小額の民事紛争」になんらかの立場で関わる確率はかなり高いこと、そういう報酬がのぞめない紛争に弁護士は係わり合いになりたがらないこと(というかはっきり拒否)、福島原発事故の損害賠償請求が今後さらに泥沼化し法曹のリソースが圧迫されることが語られ、損害補償会社に交渉を打ち切られたとき、「本人訴訟」か「泣き寝入り」しかない現状では、こういう体験書が必要ではないか、と著者。メンドくさくてもそれが現実なんですね…。
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コメント
この記事へのコメント
橘玲という人
こちらの著者、ごく最近、大阪市長と週刊朝日の記事について意見を書いているのを読んで知ったところです。
著書も読んでみるというアイディアは浮かばなかったので、ご紹介いただきありがとうございます。
2012/10/23 (火) 23:03:56 | URL | おごんち #SFo5/nok[ 編集]
Re: 橘玲という人
> 大阪市長と週刊朝日の記事

自分も読みました。あちこちにリンクされていましたね。

この方の著書は、シビアな現実をたんたんと説き、ではどうすればよいのか、というところまで論じてくれるので、非常に読みごたえがあります。いろいろ興味深い経験をお持ちのようなので、こういう体験談のような著作をもっと出してほしいと思いました。
2012/10/24 (水) 08:50:21 | URL | ヨモヤマ #-[ 編集]
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