本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
ローズ・ベルタン マリー・アントワネットのモード大臣
ローズ・ベルタン ─ マリー・アントワネットのモード大臣ローズ・ベルタン ─ マリー・アントワネットのモード大臣
(2012/01/24)
ミシェル サポリ

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マリー・アントワネットの伝記には必ず登場する人物なれど、歴史的にはあくまで脇役…かと思ったら、こんな立派な評伝が出るとは。

豊かなファッションセンス、アイディアを次々と繰り出し(ま、現代の目でみるとなんじゃこりゃの珍ゴージャスともいえるけど…)、「第三身分」の貧しい出自でありながら、フランス王妃御用達のデザイナーとなり、国内外の王侯貴族からも注文は殺到、比類なき隆盛を極めたローズ・ベルタン。デザイナーズ・ブランド、オートクチュールの元祖といえる職業婦人。当時の王侯貴族たちの残した手紙に彼女への言及箇所が非常に多いそうで、その豊富な資料のおかげか、偏らずバランスのとれた評伝になっていると思う。あわせて当時のフランスの服飾業界の解説もしっかりとされており、いろいろ知ることができて面白かった。

タンプル塔に監禁されているアントワネットに、スカーフなどを“納品”したエピソードも初めて知った。それより以前、ベルタンはアントワネット関連の請求書類をすべて破棄していた。王妃を弾劾する裁判の証拠として押収される前に。

王妃のロココの女王として王宮でまとった豪華な衣装も、ギロチンへ向かう最期の衣装も、ベルタンの手によるものだった。

独身を貫き、晩年はもう時代遅れのデザイナーとして、ひっそりと店を畳む。帝政時代が過ぎ、ルイ十八世の時代、アングレーム公爵夫人、つまりアントワネットの娘マリー・テレーズがベルタン女史の消息を尋ねたとき、彼女はその六ヶ月前にこの世を去っていた。

★★★
翻訳本・ハードカバーのため値は少々張るが、人物よし、背景文化解説よし、文章(読みやすさ)よし、で新刊購入で後悔なし。

★★★
図版で久しぶりに「帆船をのっけた髪型」を見た。これを見ると、青池保子「イブの息子たち」に登場する航空母艦を髪にのっけたアントワネットが「ゆけ!第七艦隊!」といってる場面を思い出すなぁ。さらには宇宙戦艦ヤマトものっけていたっけ。
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