本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
旅と病の三千年史
旅と病の三千年史―旅行医学から見た世界地図 (文春新書)旅と病の三千年史―旅行医学から見た世界地図 (文春新書)
(2002/11)
浜田 篤郎

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「旅行医学」(トラベルクリニック)という概念を知った。病気にかかってから現地で病院にかかるのではなく、事前に現地の病気事情や本人の体調を鑑みた注意事項、予防接種などを指導してくれる医療システム。

冒頭「ベニスに死す」のアッシェンバッハ教授の死因考察から。タジオ少年の魅力にあらがえずコレラの蔓延するリゾート地に留まる教授だが、死因はおそらく心臓発作。もともと弱っていた心臓に、病の恐怖と、異国で無理をして歩き回った疲労が引き金になったのではないかと。「旅行医学」的アドバイスは、長時間歩き回ったりせず、疲れたら部屋で安静にしておけばよかった、とか。どういう映画か知っていると、このアドバイスが可笑しい。教授が「あー、疲れた」ってホテルで寝てたら映画にならん。



著名大旅行家たち(玄奘、イブン・バツータ、マルコ・ポーロ、天正遣欧使節団、ダーウィン…etc.)、アレキサンダー大王、十字軍、世界大戦などの大軍遠征、巡礼者たち。彼らが苦しめられたマラリア、黄熱病、発疹チフス、黒死病などのさまざまな感染症、原因がなかなかわからなかった壊血病。アッシェンバッハ教授のように慢性疾患が旅先で致命的な結果になったり。病気を治療、または防ぐための薬品の発見・開発、「検疫」について。これから蔓延するやもしれぬ未知の病原体への対策。

旅行(人の移動)と病からみた世界史。文章も大変読みやすい。
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