本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
「怖い絵」で人間を読む
「怖い絵」で人間を読む (生活人新書)「怖い絵」で人間を読む (生活人新書)
(2010/08/06)
中野 京子

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中野京子の「怖い絵」シリーズファンなら買い…かな。NHK番組「知るを楽しむ」テキストをもとにまとめた新書で、「怖い絵」シリーズの一部の復習と補講といった内容。

本編「怖い絵」と違って文体がですます調なので、少々読むのがかったるかったけど、相変わらずの中野節で面白い。こういう絵画を生き生きと楽しめる解説本っていままであまり無かった(『天使のひきだし』などの視覚デザイン研究所によるシリーズくらいしか知らない)のが、今では不思議なくらい。

「はじめに」より↓

いつの頃からでしょう、絵画の正しい鑑賞法は、いっさい予備知識なしの白紙状態で作品と向き合い、自分の感性のみを頼りに、色彩、タッチ、雰囲気などを心で味わうこと、と言われるようになりました。知識は、先入観を植えつける余計なものとされたのです。

結果、好き嫌いだけで絵を見ていても飽きてしまうのが関の山。とりわけ十九世紀以前の絵画は、その時代特有の常識や文化、注文主・モデル・画家など関わった人々の思惑、意図的に隠されたシンボルに満ち満ちており、現代の眼や感性だけではどうにもならないというのに…。

つい最近もこの手の話を聞いた。町山智浩氏の新宿ロフトでのトークライブで、映画批評について。新作映画「インセプション」を例にあげ、この映画の過去作品からの引用に触れている“解説”は皆無だ、とかいう話をマクラに色々と。その引用元を知ることで、より深く・より正しく内容や製作者の意図を理解することができるのに、巷には、個々人の単なる感想文レベルの売文がタレ流されている現状だと、云々。

どうもいろいろなジャンルの解説・評論の世界で、膨大な知識や教養を蓄積すること、およびそれを活用して平易に解説することが不当に軽んじられているんじゃないかという気がする。アニメや漫画に関しては重箱の隅をつつくヲタが山ほどいるけどさ。
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