本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
牧神の午後(山岸凉子)
牧神の午後 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)牧神の午後 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)
(2008/03/27)
山岸 凉子

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1989年の作品の新装版コミックス。伝説的バレエ・ダンサー、ヴァスラフ・ニジンスキーを描いた作品。

雑誌掲載時に、“力量不足、時間不足で見切り発車してしまいました”という作者のコメントが載っていて(手許に無いのでうろ覚え)、「見切り発車の失敗作」という印象をずっともっていた。

山岸凉子がいずれニジンスキーを描く、と待たされ続けてはや10数年(この人物ツバつけた、というのは漫画家仲間うちでけっこうあるらしい。神坂智子の“アラビアのロレンス”もそうだったと思う。坂田靖子がちらっと書いていた)。…で、何年も経ち待望の作品が発表されたものの、コミックス一冊にもならない長さ、しかも「見切り発車」発言。なんだかがっかりしてあまり真剣に読んでいなかった。

ましかし、このたび新装版で再読して、そんなにひどくもないか、と考えを改めた。なにせニジンスキーは若くして基地の外に逝ってしまった人物。この作品のように振付師フォーキンの視点で、常識的人物の目から見た天才、という描き方が限界かも。

1ページだけジャン・コクトーが登場して、彼とニジンスキーとの出会いのエピソードも描かれている。あいにく夢見る詩人は翼を持つ天才を理解できなかった、という描き方。コクトーはこういうタイプは興味無いのかな。容貌もコクトーの好みのタイプではなかったろうし。

ところで、ニジンスキーの踊りは現代の感覚で観たとしたらいったいどんなレベルだったのか。ウラジミル・ワシリエフは「映像が無いから神格化された」と言っていたそうだし、森下洋子はニジンスキーがかつて踊った劇場で踊った経験から「舞台が思ったより狭くて、あれなら“飛び上がったまま舞台の袖から消えた”ように見えると思ったわ」なんてことを言っていた。

YouTubeにニジンスキーのフェイク動画をいくつも作ってアップしている人がいる。気持ちはわかる。



★★★
3食ともお腹がはちきれんばかりに食べてしまった。正月の雰囲気が食欲を増進させる。
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コメント
この記事へのコメント
あけましておめでとうございます
いつも楽しく読んでます。
今年もお邪魔しますのでよろしく。

正月は確かに食べるよね。
大して体も動かさずに。
2010/01/02 (土) 11:00:18 | URL | おごんち #SFo5/nok[ 編集]
Re:あけましておめでとうございます
ことしもマイペースで綴ってゆきますので、よろしくお願いします。

食後にお腹がはちきれそうでも、バレエ動画をあさって観てばかりで動かなくても、なぜか三度三度お腹が空く不思議。
2010/01/02 (土) 13:14:57 | URL | ヨモヤマ #-[ 編集]
明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします。

ニジンスキーは映像がないから神格化された…に1票。
プロポーション・訓練法・見せ方も変わった現在、それに慣れた目には…バリシニコフの方が凄く映るかもしれないと。
ニジンスキーの時代が持つノスタルジーがまた良い色をつけているのでしょうか。
2010/01/03 (日) 11:17:33 | URL | らん子 #xhD1mNs6[ 編集]
Re:明けましておめでとうございます
年頭はやはりバレエネタでいきました。今年もよろしくお願いします。

ニジンスキーが現代の舞台で踊ったら、ちんちくりんな踊りでガッカリ!かも…。

まぁ、「その時代の人たちがどういう目で観ていたか」を想像してみるのも楽しいです。

あるいは逆に、ギエムが当時のバレエ・リュスで突然あの踊りを披露したら「なんて下品な踊り!」と顰蹙を買ったかもしれませんね。
2010/01/03 (日) 22:53:19 | URL | ヨモヤマ #-[ 編集]
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