本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
真砂屋お峰
ISBN:4122003660 文庫 有吉 佐和子 中央公論新社 1976/01 ¥740

著者曰く「私はお峰を病める時代に挑戦した健康な精神の持ち主として書いた。私にとって例外的に楽しい仕事だった。」

言葉通り、痛快江戸時代小説(↓ちなみにネタバレです)。

大店だが現在の商いは芳しくない石屋の次男・甚三郎に、固い商いで段違いの大店である材木問屋真砂屋のあととり娘・お峰との見合い話が持ち込まれる。大工として身を立てるつもりだった甚三郎だったが、財産目当ての婿養子なんぞまっぴらという態度が逆にお峰の祖父に気に入られ、しかも美貌のお峰とはお互い一目惚れしてしまい、目出度く婿入りする。

贅沢に明け暮れる巷の商人・町人とは違い、質素かつ質実剛健な真砂屋の生活と商い、お峰と甚三郎の夫婦仲も円満であったが、他家に嫁にいってなお真砂屋の財産を狙う伯母のお米がいた。お米はお峰の祖父が死んで、婿の甚三郎が当主となると、二人の間にまだ子どもができないことを種にさまざまな陰謀を巡らす。

追い詰められたお峰は決意する。
「あんな伯母にのっとられるくらいなら、私が!」

それからのお峰のゴージャスな散財ぶりが痛快。
悪徳金貸しの門をくぐり、返す気なぞさらさらない現金を調達。長持や駕籠に金蒔絵をほどこし、途方もない手数をかけて染めあげた着物をどっさりと仕上げて、衣裳比べを兼ねた京都の花見見物へ出かける。衣裳比べはもちろんお峰のアイディアと贅沢さで圧勝で、京雀たちをあっけにとらせ、衣裳くらべに名乗りをあげた京の姫君の無礼さに啖呵を切る。

一方甚三郎も、奉公人たちを路頭に迷わせないように真砂屋を潰す算段を進めていた。

そしていよいよ「金のある女」と「身分のある女」との対決。
江戸っ子のやんやの喝采をあびての真砂屋の終焉。
騒ぎがおさまったあとの「二人だけの満ち足りた暮らし」を示唆して物語は終る。

有吉佐和子の小説は蕁麻疹が出そうなくらいイライラキーッとなるお話が多いのだが、これはまさに痛快丸齧り小説!

★★★
強風。あの音が昨夜からずっと凄くて参ってしまう。
城山へ行ってみたが、曇り空を背景に色褪せはじめた桜じゃ、冴えませんな。

レビューにだんだん力が入ってきて、自分でも「こんなことやってる場合か!」と思う。でも今日も書いちゃったよ~ん。いつまで続くのか。
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