本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
人類とカビの歴史
壮大な概説のようなタイトルだが、家電や住居などの身近なカビの記述が詳しい。著者はメーカーからの依頼で調査したりもするカビの専門家。全自動洗濯機やエアコンのカビが問題になった過程がよくわかる。エアコン内部のカビ、メーカー側は最初は「ユーザーがフィルター掃除をサボっているせいではないか」と疑っていたそうで。今ではエアコンクリーニングサービスが当たり前になっている。

「カビはいるのが当たり前。長年人類と共存してきた。そんなに嫌わないで」という著者のカビへの愛が溢れていた。

最初、図書館で読んで済ませようかと思った本だが、パラ見した時点で購入を決意。何度も読んでいる。




今ひとたびの戦後日本映画(川本三郎)

昭和20~30年代の日本映画から、「ついこの間の戦争」の痕跡をとりあげた内容。

特に説明もなく登場する「戦争未亡人」とか「復員兵」に、映画の作り手が何を託して、観客が何を感じたのか、歴史というものの一端を感じる。

「ゴジラ」の首都破壊シーンで、逃げ惑う群集から唐突に、とある母子がクローズアップされる場面。逃げることをあきらめ死を覚悟した母親が子どもを抱きしめながら「もうじき、お父様のそばに行くのよ」と語りかける。ここにも戦争未亡人が。

ノスタルジーと言ってしまえばそれまでだが、いつ読んでも味わい深い文章。とりあげられた映画を観てなくても問題なく読める(観ればもっといいんだろうけど)。

ハードカバーを本棚の奥からひっぱりだして再読。
二度、文庫化されているが現在どちらも品切れっぽい。
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