本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
奴隷のしつけ方(マルクス・シドニウス・ファルクス)
帝政ローマ時代の貴族、マルクス・シドニウス・ファルクスが綴った、ハウツー物「これであなたも一人前の主人!」
…という体裁の、現代人ケンブリッジ大教授による書。当時の文献から奴隷に関する記録をパッチワークし、架空の人物に託して語らせるというもの。当時の奴隷がどういう存在であったのか、表紙を描いているヤマザキマリの「テルマエ・ロマエ」「プリニウス」を事前に読んでいればよりわかりやすいかも。

精神は所有していないが、身体は所有している対等ではない相手をどうマネージメントするか。コストのかかる奴隷(標準的な奴隷だとかなり高価)を大事にしつつ、でも甘やかすと付け上がるのでそこは厳しく…。現代のビジネス教養として雇用側・被雇用側どちら視点でも読めるし、単に歴史書としても面白い。

★★★
これも図書館で借りたので、必死になって読む。壁にもたれた体育座りのポーズで読んでいたら、腰痛になった…。
柿渋(ものと人間の文化史)(今井敬潤)
柿渋とは、未熟な渋柿を潰し、圧搾して得た液を発酵させて造られた褐色の液体。防水・防腐効果を持つため、古くから木製品・和紙への塗布や麻・木綿などの染色に利用されてきた。また醸造用袋、漁具、養蚕用具などの生産用具、建築物の塗料としても用いられた。戦後、化学繊維や科学塗料の普及で利用は激減し、化粧品や食品添加物、工芸品などへの新たな利用方法の開発が進められている…。

近年やたらと加齢臭対策でうたわれている柿渋石鹸から、ふと興味をもってこの本を読んでみた。近世以降の文献、実地の聞き取り調査などで、柿渋がいかに生活に根ざしたものであったのかがわかる。ただし、消臭効果についての記述は無い。

本文で、60代くらいの人(この本の発行は12年前だから現在70代くらい)になると、柿渋のことを知らない、と書かれていた。現在80代の義父母は柿渋がポピュラーに使用されていた記憶がある。このへんが分かれ目みたいだ。

★★★
この「ものと人間の文化史」叢書は興味あるテーマが多いのだけれど、値段がちと高いので、主に図書館で借りて読んでいる。
世界史を変えた薬(佐藤健太郎)
こういう本をやたらと読んでいるような気がする。ビタミンC、キニーネ、モルヒネ、麻酔薬、消毒薬、サルバルサン、サルファ剤、ペニシリン、アスピリン、エイズ治療薬。多くの人命を左右し、文字通り歴史を変えた薬剤のお話。

こまかいところではツッコミどころがあるようだが(あちこちのレビューを読むと歴史的・科学的な精度に問題があるようだ)、門外漢には気軽に読めて、満足の行く読後感。




★★★
病院の待ち時間用に携えていったが、眼底検査の点眼後に読むのは無理だった…。
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