本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
火の賜物―ヒトは料理で進化した
火の賜物―ヒトは料理で進化した火の賜物―ヒトは料理で進化した
(2010/03/26)
リチャード・ランガム

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図書館で何度も借りていたが、ええい、もう買っちゃえと。マケプレだけど。

ヒトは「料理」することで消化吸収の効率が抜群にアップし、浮いたエネルギーで脳が発達、どんどん進化していったのではないか、という理論。

生モノばかり食べているチンパンジーは咀嚼に毎日数時間をかけている。人間は一度の食事で咀嚼時間は数十分程度。消化へ費やす熱量も少なくて済む。よって、時間もエネルギーも他のことに活用できる。知能が発達して料理するようになったのではなく、料理こそが人間をここまで進化させた…と。

火を通すと酵素が壊れるとかどーとかという理屈でローフードを推奨する食事療法があるが、この本で紹介された実験によると、火を通さない食事だけを続けていると人は必ず死ぬ(もちろん実験は死ぬまでするわけではないが)。計算上は十分な栄養を考えた食材であっても、加熱していなければその栄養を消化吸収できず、まず生殖機能が衰退してしまい、体重も減少、危険な状態へ確実に陥ってゆく。歴史的にも地理的にも加熱調理しない食事を長期間続けて生存したという事実は一例も無い。

そういや、昔、家庭科教室に貼ってあった「食物別消化時間」のポスターを思い出した。生卵のほうが、卵焼きやゆでたまごより消化に時間がかかると書いてあったのを「え?そうなの?」と不思議に思っていた。

ダイエットに生野菜ジュース!とかいう本がけっこうヒットしていたが、そういう理屈だったのね…。ビタミン&ミネラルたっぷりの健康ダイエット!とかうたっていたけど、単に栄養の消化吸収率が悪くて痩せる、という面は多分にあると思う。

某社長夫人もマクロビで痩せた、と喜んでおられたが、あれも消化吸収率が悪く、消化に通常よりエネルギーを費やす食事内容だもんね。メタボ中年には確かにオススメだ。

ところで、この本の後半は、「料理」することにより男女の性差分業・配偶者システムも出来上がっていったのではないか、と説く。女性に男性優位の文化による従属的役割(料理する女)を担わせる、と。理屈はわかるけどなんだかムカつくわー。
11月18日
決算準備日数が刻々と煮詰まってくるのに、アレ手伝え、コレ納品しろと、イレギュラーな仕事が次々と突っ込まれる。「手伝え手伝えと便利に使われてるけどねー、事務処理や家事は誰か手伝ってくれるのかねー、いつすればいいんでしょうかねー」と嫌味を言ったら、手伝い解除してもらえた。

あらまぁ珍しいこともあるもんだと思ったら、その後激しい雷雨。みぞれ。ほらほら。
面白いほど詰め込める勉強法(小谷野敦)
面白いほど詰め込める勉強法 究極の文系脳をつくる (幻冬舎新書)面白いほど詰め込める勉強法 究極の文系脳をつくる (幻冬舎新書)
(2013/09/28)
小谷野 敦

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タイトルは内容とはあまりあっていない。著者の勉強の自叙伝と、知識を得るためのエッセイというか…。著者のファンなので、豊富な読書量に裏打ちされた縦横無尽な論旨がいつもどおり面白い。

著者は大学院へ進んでから「英語の勉強が革命的に変わった」。ヘンリー・ジェイムズ作品を訳読する授業で、「まず大意を掴む、という考え方はとらず、単語一つ一つをゆるがせにせず、文法に則って隅から隅まで読んでいく、というやり方」に開眼した。「だいたい分かればいい」で学んできた著者には革命的衝撃だったとのこと。

自分も大学時代、同じような開眼をしたことを思い出した。自分の場合は日本古典文学で、ゼミの恩師の教えがまさに、一語一句ゆるがせにせず、徹底的に読み込み、分析するという教えだった。学問の手法としては当たり前といえば当たり前なのだろうが…。いままで自分がいかにいい加減なテキスト流し読みをしてきたか、やっと気づかされた。授業もとても面白く充実していて、卒論で、その恩師に「優」をもらえたのはとても嬉しかった。
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