本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
ヒストリエ(10)(岩明均)

やっと続刊が出た。去年のおわりごろから「発売予定→延期」を繰り返していて、その間に9巻までの読み返しを繰り返し、ついでに「王妃オリュンピアス」(これも何回読んでも面白い!)も読み返して待っていた。

戦場のゴア描写多数…
王のアレクサンドロス王子に対する評価、そして新しい王妃を娶る、…後の悲劇への始まり。…エウリュディケ逃げてー!エウメネスと逃げてー!と言いたくなる。

アレクサンドロス大王の父の墳墓を特定か

「死亡時に18才くらいだったと推定される若い女性」

歴史は確定しているんだけどね。
それにしても刊行ペース遅すぎ。作者と読者の寿命比べ。
ゴールデンカムイ 10 (野田サトル)


鶴見中尉の部隊には狂った変態しか入隊できないんですか…の巻。あいかわらず「わかるヒトだけわかればいい」ネタなのか何だかわからないけど、二階堂に素敵な足がプレゼントされるくだり、「誰?このひと」「誰なの?怖いよおッ!」…って本当に怖いわ!これも何か元ネタあるの?

ミリオタには説明不要の有坂成章と、オカルト好きなら説(略)の御船千鶴子も登場。

スナイパー尾形が普通に格好いいです、はい。
大奥 14 (よしながふみ)


男の篤姫ってどーなんの、という期待たがわず、絶好調の14巻目。
忠臣・阿部正弘の涙の退場。正弘が自分の死に与えた「物語」と、ツンデレ女将軍・家定と正室・篤姫こと篤胤の短い幸せな夫婦生活が救いとなる巻だった…。

今巻で徳川将軍となる残りあと二人が登場済み。あとは「男の和宮」か…。次巻で家定は死ぬだろうし、いよいよ怒涛の幕末へ。あー一年後が楽しみ…。
王妃マルゴ5巻(萩尾望都)


まず表紙の美麗さにうっとり。美しいだけではなく、「高貴な青い血しぶき」と絡めて描かれてるのがまたウマい。いよいよ悪名高い「聖バルテルミの虐殺」の巻。血腥い果てしない殺戮、辛くも生き延びた者だけではなく、手を下した者も苦しみに引き裂かれる。シャルル崩御、次の表紙絵は次の王となる次兄アンリか…。

微妙な夫婦関係だったというマルゴとナヴァルのアンリ。二人の複雑な関係が、今後どう描かれるのか楽しみでならない。

ところで、同時期に刊行された、某「少女漫画の歴史的名作の新作」(タイトル出すのもしのびない)があまりにもヒドかった。
そのせいで余計に、萩尾望都がこの高レベルを長年維持し続けることに奇跡を感じた。
レベレーション(啓示)(2) (山岸凉子)


山岸凉子のジャンヌ・ダルク伝2巻目。

地味な表紙…というのが第一印象。

コミックス派なので、1巻を読んだあと、シャルル王のキャラ造詣がどうなるのか色々想像していた。で、今巻初登場。…これはジャンヌを見捨てるわな…と思った。あと、ジル・ド・レはアシ絵のザコキャラ。この作品では出番なさそう。シャルルの義母・ヨランダの老獪っぷりがかなり期待できる。

ジャンヌの悲惨な最期はわかりきっているので、読むのは辛いけど、読まずにはいられない山岸ワールド。



乙嫁語り9巻(森薫)

パリヤさん編つづき。よかったねーー展開。

前巻は布支度の刺繍描写がすさまじかったが、今回は表紙でもパリヤさんがかかえているパンの文様描写がキモ。感情表現が不器用なパリヤさんの気持ちを代弁する、細やかな願いをこめた美しい文様。

今巻はワキにまわったアミルたち夫婦もそうだけど、「どんな人と結婚するか」ではなく、「結婚相手とどのように良い関係を築いてゆくか」が大事なことだよな、という作品だ。

「嫁に来てから弓を使わなくなった」ばあちゃんの新婚時代のお話も読みたいな。




ゴールデンカムイ 9(野田サトル)
期待以上に面白かった。ノリにノッてる。

唐突にで出てくる映画のパロディ。
「最後の晩餐」(登場人物たちの位置づけと一致しているのか?)。

アシリパさんの変顔もまた見られたし。

味方になったり、敵になったり、行動を共にしたり、別れたり。入り乱れる人物模様が覚えきれない(トシのせいで)のが困ったもんだ。あの棒のこともすっかり忘れていて、2巻を読み返した。






マリー・アントワネット(惣領 冬実)
「史上初!ヴェルサイユ宮殿監修」のコピーに納得の一冊。カバーの美男美女はアントワネットとフェルゼン?かと思いきやまさかのルイ16世。短躯・肥満・愚鈍だったというかつての定説とは違い、長身の美男子に描かれている。美男ぶりは多少の創作らしいが、かなりの長身(192cm)だったのは史実。頭脳も明晰で新思想にも詳しい教養あふれる知的な男性であった…と近年の研究は進んでいるそうな…。

ヒロイン、アントワネットもたまらなく魅力的な少女に描かれている。


ツヴァイクの流れを汲む定説(ベルばらも当然これに含まれる)を、丹念な史実研究で覆していく最近の学説を反映させたコミック。たった一冊で終わるのが非常に残念。




景色、建物、家具調度、衣装、装身具など芸術的なまでに描かれているのがまたうっとり…。自分はドレスの正確な描きこみに特に感動した。この時代のドレスは、正面から見ると左右に大きく張り出しているが、横から見ると前後の張りは左右ほどではない。360度ぶわーっと広がるシルエットはもっと時代が下がってから。1989年、京都服飾文化研究財団が主催した「華麗な革命」展覧会で当時の実物のドレスを見て以来、そういう微妙なシルエット描写が不正確なコミックが多いのが気になっていたが、この本は完璧。

「チェーザレ」を再開するという作者が、このコミックの続きを描くのはもう無理なんだろうけど…本当に残念。

ヴェルサイユ宮殿監修「マリー・アントワネット展」が開催される影響もあってか、アントワネット関連の書籍がいろいろ出版されていて、最近立て続けに読んでる。
6月7日
萩尾望都さんの新作掲載 少女漫画雑誌が異例の重版

朝からNHKのニュースに驚いた。
までもよかった。他の連載楽しみにしている人が気の毒だったから。

それにしても「繊細かつ華やかな絵柄でファンの熱狂的な支持を集める漫画家の萩尾望都さん」…って…。
萩尾望都を、ポーを読んでない人がニュース原稿書いた感アリアリ。
月刊flowers(フラワーズ) 2016年 07 月号 [雑誌]
ネットでは瞬時に売り切れてしまってた。予約していなかったのであせったが、リアル書店で他店舗から取り寄せてもらって購入。他の連載目当てで普通に購入していたのに今回買えなかった人達がかなりいるようで、ひどいもらい事故だ。ごめんね。

前後編の前編かと思ったら「Vol.1」の表記。不定期連載になりそう。うーんちょっと追いかけるのは面倒。通常購入者は今回の件で離れ、「ポー」目当ての購入者が継続購入するかは怪しい。フラワーズの未来はどっちだ。

で、「ポー」だけど、「現在の萩尾望都が描くポーの一族」と思って読むので、それなり。絵柄がどーのこーの言う感想も散見するが、過去シリーズも絵柄は激変してたからなぁ。






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