本に包囲された日々
部屋は本まみれ。家業の経理をこなしつつ、本を読む。
ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室(キャスリーン・フリン)
料理ができないことで自分に自信が持てない女たち、年齢も職業もさまざまな彼女たち10人を、遅咲きの料理人の著者が料理を指導し、共に考え、成長していく。料理だけではなく、買い物から、食品添加物、廃棄、農業・漁業の生産環境の問題などさまざまに考察を深める…。

スーパーで他人の買い物カゴの中身に驚き…というプロローグからひきこまれた。

ところで、スーパーのレジに並んでいると、無意識に前の人の買い物の中身を見つめている。自分の番が来たとき、後ろの人もやっぱり自分のカゴをじーっと眺めている。気になりだすと気になる。





王妃マルゴ5巻(萩尾望都)
まず表紙の美麗さにうっとり。美しいだけではなく、「高貴な青い血しぶき」と絡めて描かれてるのがまたウマい。いよいよ悪名高い「聖バルテルミの虐殺」の巻。血腥い果てしない殺戮、辛くも生き延びた者だけではなく、手を下した者も苦しみに引き裂かれる。シャルル崩御、次の表紙絵は次の王となる次兄アンリか…。

微妙な夫婦関係だったというマルゴとナヴァルのアンリ。二人の複雑な関係が、今後どう描かれるのか楽しみでならない。

ところで、同時期に刊行された、某「少女漫画の歴史的名作の新作」(タイトル出すのもしのびない)があまりにもヒドかった。
そのせいで余計に、萩尾望都がこの高レベルを長年維持し続けることに奇跡を感じた。





賞味期限のウソ(井出 留美)


タイトルは売らんかな的な誇大タイトル。
3日ほど前にやっと冷蔵庫にある「賞味期限が去年」の卵を使い切った自分には、ごく当たり前なことが書いてある。

世の中には「賞味期限を過ぎたら即捨てる」人が大勢いるらしいので、このような本が必要かも。

スーパーの日付の古い商品から手にとって、買いすぎないようにする、のはできれば心がけたいが、「備蓄」という点からはどうかなぁ…。家庭内で、計画通りに食糧が消費されるわけではないし。





レベレーション(啓示)(2) (山岸凉子)


山岸凉子のジャンヌ・ダルク伝2巻目。

地味な表紙…というのが第一印象。

コミックス派なので、1巻を読んだあと、シャルル王のキャラ造詣がどうなるのか色々想像していた。で、今巻初登場。…これはジャンヌを見捨てるわな…と思った。あと、ジル・ド・レはアシ絵のザコキャラ。この作品では出番なさそう。シャルルの義母・ヨランダの老獪っぷりがかなり期待できる。

ジャンヌの悲惨な最期はわかりきっているので、読むのは辛いけど、読まずにはいられない山岸ワールド。



乙嫁語り9巻(森薫)

パリヤさん編つづき。よかったねーー展開。

前巻は布支度の刺繍描写がすさまじかったが、今回は表紙でもパリヤさんがかかえているパンの文様描写がキモ。感情表現が不器用なパリヤさんの気持ちを代弁する、細やかな願いをこめた美しい文様。

今巻はワキにまわったアミルたち夫婦もそうだけど、「どんな人と結婚するか」ではなく、「結婚相手とどのように良い関係を築いてゆくか」が大事なことだよな、という作品だ。

「嫁に来てから弓を使わなくなった」ばあちゃんの新婚時代のお話も読みたいな。




ゴールデンカムイ 9(野田サトル)
期待以上に面白かった。ノリにノッてる。

唐突にで出てくる映画のパロディ。
「最後の晩餐」(登場人物たちの位置づけと一致しているのか?)。

アシリパさんの変顔もまた見られたし。

味方になったり、敵になったり、行動を共にしたり、別れたり。入り乱れる人物模様が覚えきれない(トシのせいで)のが困ったもんだ。あの棒のこともすっかり忘れていて、2巻を読み返した。






脂肪の歴史 (「食」の図書館)
文字通り、食指の動く巻だけ買ってるシリーズ最新刊。



食べるのがやっとだった時代は、美味・豊かさや権力の象徴だった脂肪。絶対に必要な栄養なのに、近年は特に嫌われ者。

飽和脂肪酸、トランス脂肪酸と悪の標的は突然変わり、企業はそのたびに、新しい製法を編み出す。「健康に良い」をうたう新商品が氾濫する一方で、昔ながらの「自然な」油脂への回帰もある。

極端に偏って摂取しなければいいだけだと思うけどね。
こってりした美麗図版多数。



マリー・アントワネットの嘘(惣領 冬実、塚田 有那)
コミック「マリー・アントワネット」の副読本。コミック化にあたっての経緯、作者のこだわり、萩尾望都との対談など盛りだくさん。

本のタイトルはというと、第一章で、マリー・アントワネットにまつわる言い伝えの「嘘」を七つ取り上げている。

例の「パンがなければお菓子を食べればいいじゃないの」セリフは嘘だという、いまさらな項目はどーでもいい。

そんなことより、ルイ16世とアントワネットに、結婚後七年間子どもができなかった真の理由に驚き!なんと2002年にフランスで発行された評伝(本邦未訳)で、歴史に埋もれていた手紙の存在により、赤裸々な事実があきらかになっていた。




従来説では

「ルイ16世は重度の包茎による不能で、医師から簡単な手術を勧められていたが、優柔不断な性格によりなかなか決断できず、業を煮やしたオーストリア皇帝ヨーゼフ2世(アントワネットの実兄)の説得により、手術を決断、ようやく正常な夫婦生活を営むことができた」

ところが新たに発見された、ヨーゼフ2世が弟に書いた手紙には、妹夫婦の性生活の様子(もちろんヨーゼフ2世は妹夫婦本人たちから直接聞いた)が具体的に書かれ、読めば「そりゃ子どもができないはずだ…」という内容。250年後にこんなことを世界中にバラされるなんて…。

ともあれ、コミックの副読本として両方読めばよりいっそう面白くなる内容だった。
マリー・アントワネット(惣領 冬実)
「史上初!ヴェルサイユ宮殿監修」のコピーに納得の一冊。カバーの美男美女はアントワネットとフェルゼン?かと思いきやまさかのルイ16世。短躯・肥満・愚鈍だったというかつての定説とは違い、長身の美男子に描かれている。美男ぶりは多少の創作らしいが、かなりの長身(192cm)だったのは史実。頭脳も明晰で新思想にも詳しい教養あふれる知的な男性であった…と近年の研究は進んでいるそうな…。

ヒロイン、アントワネットもたまらなく魅力的な少女に描かれている。


ツヴァイクの流れを汲む定説(ベルばらも当然これに含まれる)を、丹念な史実研究で覆していく最近の学説を反映させたコミック。たった一冊で終わるのが非常に残念。




景色、建物、家具調度、衣装、装身具など芸術的なまでに描かれているのがまたうっとり…。自分はドレスの正確な描きこみに特に感動した。この時代のドレスは、正面から見ると左右に大きく張り出しているが、横から見ると前後の張りは左右ほどではない。360度ぶわーっと広がるシルエットはもっと時代が下がってから。1989年、京都服飾文化研究財団が主催した「華麗な革命」展覧会で当時の実物のドレスを見て以来、そういう微妙なシルエット描写が不正確なコミックが多いのが気になっていたが、この本は完璧。

「チェーザレ」を再開するという作者が、このコミックの続きを描くのはもう無理なんだろうけど…本当に残念。

ヴェルサイユ宮殿監修「マリー・アントワネット展」が開催される影響もあってか、アントワネット関連の書籍がいろいろ出版されていて、最近立て続けに読んでる。
おいしいロシア(シベリカ子)
「おそロシア」感はまったく無いゆる~い感じのコミックエッセイ。ロシア人のだんなさんと一緒に、一年間ロシアで暮らしたことを食を中心に描いた内容。ゆるゆるな絵柄なんだけど、美味しい感じは楽しめる。肉とか魚とか日本みたいにお手軽サイズにパックされていないので、料理の下ごしらえに手間がかかるのがちょっと大変そう。

ちゃんとビーツを使ったボルシチを食べてみたい…。

ところで「ブリヌイ」にはドライイースト入れるのか入れないのかどっちなんだろう。材料描写には描いてあったのに、レシピには書いてなかった。






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